週末にまとめて作っておけば、平日がぐっと楽になる作り置き。でも一人分だと、気づけば同じおかずが何日も続いたり、食べきれずに残ってしまったりしがちです。4コマ漫画第31話『無駄に作りすぎた結果』でも、作りすぎにまつわる「あるある」が描かれています。
この記事では、一人分の作り置きを「ちょうどいい量」で回すための考え方と、冷蔵・冷凍で安全に保存するためのルールをまとめます。保存のルールは、厚生労働省や農林水産省、冷凍食品メーカーなどの公式情報をもとにしています。
作りすぎない量は「何食分か」から逆算する
作りすぎを防ぐいちばんの近道は、作る前に「いつ、何食分食べるか」を決めておくことです。たとえば「平日の夜に3回、家で食べる」なら、主菜は3食分あれば足ります。
1食あたりの量の目安には、農林水産省と厚生労働省がまとめた「食事バランスガイド」が使えます。
| 区分 | 1つ(SV)の目安 | 1日の目安(基本形) |
|---|---|---|
| 副菜(野菜・いも・きのこ・海藻などの料理) | 主材料の重さ約70g。小鉢1つ分くらい | 5〜6つ |
| 主菜(肉・魚・卵・大豆製品などの料理) | 主材料に由来するたんぱく質約6g。卵料理1個分で1つ、魚料理1人前で2つ、肉料理1人前で3つ | 3〜5つ |
基本形は1日2,200±200kcalを想定したもので、体を動かす量が少ない成人男性や、ふつう以上の成人女性が目安です。自分の適量は、性別・年齢・活動量で変わります。
この目安を使うと、たとえば「副菜を3日分、毎晩小鉢1つずつ」なら、小鉢3つ分(主材料でおよそ200gちょっと)を作ればよい、と考えられます。「なんとなく1袋全部」「レシピの4人分そのまま」ではなく、食べる回数から量を決めると、作りすぎが減らせます。
一人分で回しやすくする工夫
- レシピが2〜4人分なら、材料を半分にするか、作った分の一部を最初から冷凍にまわす
- 冷蔵で食べる分と冷凍する分を、作った日に分けてしまう
- 味つけを決めずに下ごしらえだけしておく(ゆでた野菜、切った肉の小分けなど)と、飽きにくい
冷蔵で保存するときのルール
作り置きでいちばん気をつけたいのは食中毒です。厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」と、農林水産省の情報から、作り置きに関係するルールを抜き出しました。
- あら熱をとったら、密閉容器に入れるかラップでぴったり包み、早めに冷蔵庫や冷凍庫に入れる
- 早く冷えるように、浅い容器に小分けして保存する
- 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に保つのがめやす(厚生労働省)。農林水産省は、冷蔵庫は4℃前後、冷凍室は-18℃以下が適温といわれている、としています
- 冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意する。めやすは7割程度(厚生労働省)
- 温め直すときも十分に加熱する。めやすは75℃以上で、みそ汁やスープなどは沸騰するまで(厚生労働省)
- 時間が経ちすぎたら、思い切って捨てる。ちょっとでも怪しいと思ったら食べない
カレーや煮物を鍋のまま置いておかない
農林水産省によると、大量に作ったカレーや煮物などを鍋に入れたまま置いておくと、冷める途中でウェルシュ菌という食中毒菌が急に増えることがあります。鍋ごと冷めるのを待つのではなく、浅い容器に1回で食べる量ずつ分けて、早めに冷蔵庫や冷凍庫へ入れましょう。
冷蔵で何日もつ?
作り置きおかずの冷蔵保存について、厚生労働省や農林水産省は「何日まで」という日数を示していません。農林水産省は「冷蔵庫に保存した調理済みの食品は、なるべく早く食べきってしまいましょう」としていて、においや色、味では食中毒菌がどのくらいいるか判断できないこと、低温でも増えたり毒素を作ったりする菌がいることにも注意をうながしています。
そのため一人分の作り置きでは、「冷蔵はすぐに食べる分だけ、それ以外は作った日に冷凍する」と決めておくのが安心です。
冷凍できるおかず、向かないもの
旭化成ホームプロダクツ(サランラップ・ジップロックのメーカー)は、冷凍・解凍の方法を一覧にした「冷凍・解凍チャート」を公開しています。おかずでは、たとえば次のようなものが冷凍保存の対象として載っています。
| おかず | 冷凍するときのポイント(チャートより) |
|---|---|
| ハンバーグ | 火を通してから1個ずつ |
| 肉団子・ミートボール・つくね | 加熱調理後、よく冷ましてから |
| から揚げ・とんかつ | 揚げた後しっかり冷まし、1回に使う分ずつ |
| コロッケ | 衣をつけた後(揚げる前)に1個ずつ |
| きんぴら・切干大根・ひじき煮 | 冷まして汁けをきり、1回に使う分ずつ小分け |
| かぼちゃ煮・里芋煮・さつまいも煮 | 冷まして汁けをきり、1回に使う分ずつ小分け |
| シチュー・カレー | じゃがいもはつぶし、容器の7〜8分目までを限度に |
| 焼き魚 | 一切れずつ |
| ごはん | 炊きたてを1膳ずつ |
いっぽう、ニチレイフーズは家庭での冷凍に向かない食品として、加熱や解凍で分離したり食感が悪くなったりしやすい次のようなものを挙げています。
- 生卵・ゆで卵
- 牛乳・生クリーム
- 豆腐・こんにゃく
- プリン・ゼリー など
煮物や汁物に豆腐やこんにゃく、ゆで卵を入れたい場合は、冷凍する分には入れず、食べるときに足すと失敗が少なくなります。
冷凍の保存期間と、上手な解凍のしかた
冷凍しても、ずっと持つわけではありません。家庭の冷凍庫は、市販の冷凍食品をつくる工場のような急速凍結ができないため、品質が落ちやすいからです。
- ニチレイフーズ:家庭用冷凍庫では、食材に応じて約2〜3週間を目安に使い切るのが安心
- 旭化成ホームプロダクツ:冷凍保存期間は食品の状態や冷蔵庫の環境で変わるが、一般的に生鮮食品で2週間、それ以外でも1か月程度を限度に早めに使い切る
一人分だと冷凍したことを忘れがちなので、容器や袋に冷凍した日付を書いておくと管理しやすくなります。ニチレイフーズも、日付をラベルに書いて「先に入れたものから使う」ことをすすめています。
冷凍するときのコツ
- 熱いものは冷ましてから、できるだけ速く凍らせる。金属トレーにのせ、薄く平らにすると早く凍る(ニチレイフーズ)
- ラップでぴったり包むか袋に入れ、空気をしっかり抜く。空気が残ると品質が落ちたり霜がついたりする(農林水産省)
- 1回で使う量ずつ小分けにしておくと、早く凍り、使うときも必要な分だけ取り出せる(農林水産省)
解凍するときのルール
- 「常温(自然解凍)で」と書かれたもの以外は、電子レンジや流水などで素早く解凍する。時間がかかると食中毒菌が増える可能性がある(農林水産省)
- 使う分だけ解凍し、解凍したらすぐに調理する(農林水産省)
- 一度解凍したものを再び冷凍するのは基本的にNG(ニチレイフーズ)
まとめ
- 作る前に「いつ、何食分食べるか」を決め、食べる回数から量を逆算する
- 副菜は小鉢1つ(主材料約70g)、主菜は肉料理1人前などが1食分の目安になる
- あら熱をとって浅い容器に小分けし、早めに冷蔵庫・冷凍庫へ。鍋のまま放置しない
- 冷蔵の作り置きは日数の決まりがないので、なるべく早く食べきる。すぐ食べない分は作った日に冷凍する
- 家庭の冷凍は2〜3週間、長くても1か月程度を目安に。日付を書いて先に入れたものから使う
作りすぎの「あるある」は、4コマ漫画第31話『無駄に作りすぎた結果』で読めます。
参考にした情報(2026年10月2日確認)
- 厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01_00006.html
- 農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方〜知ってお得な食品の保存〜」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/frige.html
- 農林水産省「これで解決!食中毒予防のポイント」 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/point.html
- 農林水産省「aff 2022年12月号 家庭で実践!食中毒予防策 食事編」 https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2212/spe1_03.html
- 農林水産省「『食事バランスガイド』の適量と料理区分」 https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kenzensyokuseikatsu/about_b_guide.html
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「食事バランスガイド(基本編)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-007.html
- 旭化成ホームプロダクツ「一目でわかる!冷凍・解凍チャート」 https://www.asahi-kasei.co.jp/saran/preservation/chart.html
- ニチレイフーズ ほほえみごはん「【冷凍保存の基本】冷凍の基礎知識とホームフリージングのポイント」 https://www.nichireifoods.co.jp/media/46179/








コメント