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漫画「海街diary」(吉田秋生)のあらすじ・ネタバレありの考察・感想。映画とは違って暗くて、暗くて、暗い漫画

ごらく
Amazonより
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漫画「海街diary」を読みました。

漫画「BANANA FISH」を読んでいると、あまりの暗さからKindleでレコメンドされた海街diaryを読むことにしました。映画「海街diary」の存在を知っていたうえに、学園物語が好きな私は鎌倉が舞台の青春漫画「海街diary」に逃げたのでした。

ただ、読み進めているうちに漫画「海街diary」も暗いことに気づきました。それもそのはず漫画「海街diary」漫画「BANANA FISH」は同じ作者だったのです。(その後読みました↓)

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普通の作品は「1回暗いイベントを起こして、1回救う」を繰り返す作品が多いと思うのですが、吉田秋生さんの作品は「10回暗いイベントを起こして、1回救う」という全然救えてないよ系なんです。

とはいえ漫画「海街diary」のほうが読みやすかったので読みすすめました。まずはあらすじをかんたんに紹介します。

漫画「海街diary」を読む

漫画「海街diary」のあらすじ

シーンはベッドに入っている女性の携帯が鳴るところから。

女性の名前は「佳乃」。映画「海街diary」では長澤まさみさんが演じています。

突然の父の訃報に驚く佳乃。他人から父の死を聞くという不思議な内容。隣にはイケメン。

実は父親は佳乃たちが幼い頃に離婚で生き別れているため、葬式に行くためにも鎌倉→山形と、かなりの遠出が必要。

シーンはとんで、佳乃と妹のチカが父が住んでいた山形に到着したシーン。

そこで、妹のすずと出会います。映画「海街diary」では広瀬すずが演じていますね。淡々とした表情のすず。中学生で父親をなくしたにしては冷静で、大人のようです。

ここでは紹介しませんでしたが、”姉妹”には映画「海街diary」では綾瀬はるかが演じたシャチ姉がいるのですが、物語は4姉妹が父親の葬式で出会うシーンからはじまります。

漫画「海街diary」を読む

漫画「海街diary」のネタバレありの考察・感想。

ここからはネタバレありの感想、考察を。

まだ読んでない人はできれば読まないでください。

映画「海街diary」とは全然違う|漫画「海街diary」のネタバレありの感想・考察①

映画「海街diary」は知っている人が多いと思いますが、この作品は映画とは別モノです。

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映画「海街diary」は是枝監督がつくっているんですが、是枝監督は信条的に「誰も悪者に見えない映画をつくりたい」と言っているのですが、それはとても相性が悪い笑

人の醜さ、弱さ、現実に起こる悲しみ、苦しみなどを中心に描いているのが吉田秋生さんです(偏見)。それを円満に描くには相性が悪いような気がします。

吉田秋生さんの作品では漫画「BANANA FISH」も人気ですが、こちらも負けじと暗い…。

世の中の悲しみを一手に背負った漫画|漫画「海街diary」のネタバレありの感想・考察②

この作品の特徴はなんといってもその暗さ。

全9巻でこれでもかというほど、世の中の暗さ・悲しみを味わうことができます。でも、それがいい。

冒頭にも書きましたが、ふつうの作品が救ってくれる量を救ってくれないので、とにかく暗い気持ちになっていきます。

しかし、それがいいんです。読みきったときには暗い気持ちが逆に癖になっています。激辛料理みたいな、ブラックコーヒーみたいな感じです。

別れ(死)と出会い(生)|漫画「海街diary」のネタバレありの感想・考察③

悲しみの中でも重要な主題の一つは「別れ(死)」です。そして、対局にある「出会い(生)」も対となるように描かれます。

例えば誰かが死ぬとともに子どもが生まれる。

何かを失ったら何かを手に入れる。そういうバランスを描いていると思います。人生もそうですよね。増やすことだけではなく、減らすことで得られる何かもあります。

しかし、ここでも別れ(死)のほうが大きい割合を占めます。

人が変わるタイミングと、縁|漫画「海街diary」のネタバレありの感想・考察④

出会いと別れの他にも、人間の変化と、人間の縁が丁寧に描かれます。

この作品では1年の流れが丁寧に描かれているので、時間が経つことで起こる変化、生まれる縁がいろいろ描かれます。

血でつながる親と子|漫画「海街diary」のネタバレありの感想・考察⑤

「親子の関係」も大きな主題の一つです。

主人公のすずも、親子のつながりを実感することがあれば、主人公を引き取る姉たちにも親子の縁を実感するシーンが描かれます。

嫌いなのに、一方でまずいカレーの作り方が似たり、話し方や怒りかたがなんとなく似てきてしまったり、同じ行動をしていたりする不思議さ。もちろんそこには”血”以外のつながりもありますが、その中にはやはり”血”のつながりがあるんだなと。

家族のいざこざ系漫画は田島列島さんの「水は海に向かって流れる」「子供はわかってあげない」などが面白いですが、海街diaryも「親子」というものを描くことに取り組んでいる作品だと思います。

鎌倉と「梅」と祖母と姉たち|漫画「海街diary」のネタバレありの感想・考察⑥

この話の重要なモチーフのひとつが舞台の鎌倉、そして庭に生えた梅です。映画ではこの2つをめっちゃ強調します。

すずが引っ越してきたとき、姉3人が住んでいる鎌倉の(元は祖母とともに暮らしていた)家は古い一方で大切に使われています。普段は家に寄り付かない母親が家を売ろうと言ってきたときには姉たちはみな激怒して追い返します。

祖母との暮らし、思い出とともに、庭には大事に育ててきた梅の木が。梅の木は毎年、実を収穫して梅酒をつくります。初めての梅酒づくりに参加したすずも、徐々に梅に愛着が出てきて自分で世話をするようになります。

梅の木を愛でる描写ですが、それだけでこの家の人たちを優しい目線で見ることができます。どんなに外では擦れた生活をしていたとしても、家の中では居場所があって、安心できる生活をしているということが梅の描写だけでわかるなあと思いました。

 

この作品は2006年に連載開始され2018年まで続き、その間2015年に実写映画化されています。一方で漫画「BANANA FISH」は1985年〜1994年に連載され、その後2018年にアニメ化されています。

吉田秋生さんの作品は暗いのですが、そのインパクト・人間の感情に与えるエネルギーは強く、現在の読者にも通ずる感覚の表現だからこそ、映画化・アニメ化しているのかもしれないと思いました。

超絶好き嫌いあると思います(苦手な人が多そう)が、これだけ人気が続いている作品たちなので、私のようにハマる方も多いかも?

漫画「海街diary」を読む

漫画が面白かったので、映画の再現度、中身が気になった私は映画「海街diary」も見てみることに。レビューも書いたのでぜひご覧ください。

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出典:漫画「海街diary (吉田秋生・flowers コミックス)

出典:映画「海街diary」

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